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長年高血圧のため抗圧剤を服用していましたが、服用していたにもかかわらず血圧が高くなってしまい、肩から胸にかけて痛みが出るようになりました。特に、心臓が痛むような感覚を覚えたそうです。

抗圧剤を服用していても、急に血圧の上昇すること方がおられます。時折こういう方が治療に診えられ、体調を戻されるケースがあります。今回のケースは、そんな中でも体調を崩され、特に心臓が痛いという表現をされたということで、紹介させていただきます。

当 院へは紹介されて来院されました。早速、問診し脉診をしましたら硬く沈んだ状態です。また、頸部から肩にかけて硬く張り、「いかにも血圧が高い人だなぁ」 と思わせるような体の状態です。鍼治療は初体験ですので、すこし説明しつつ初回の治療に入りました。治療後、硬くて沈んでいた脉は柔らかく少し浮いた状態 に変わっていました。「硬くて沈んでいる脉の状態が、柔らかく浮いてしまった脉に変わっていきます。長い間、薬を服用されていますのですぐには難しいです が、少しずつ近ずけていきます。そうなっていきますと、次第に血圧も安定し痛みもひいてきますよ」

当初、週2回の来院をしていただきましたが、2週間後には5日おきに1回の割合で来院していただきました。

治療開始から3週間ほど過ぎて、訴えておられた心臓の痛みはなくなり、苦しかったからだの不調も整ってきました。この頃から週1回の治療に切り替え、以後しばらくの間、体調の調整に来院いただきました。

初診時に感じていた痛みや体調不良はなくなり、血圧も安定しています。このケースのように、高血圧のため抗圧剤を服用されている方は多いようです。しかし、服用しているにもかかわらずなかなか血圧が安定せず、急に高くなる方々も多いと聞いています。

本 来なら、薬を服用しなくても良くなるまで治療できるといいのでしょうが、これはなかなかいろんな意味で難しいといえます(理想論で言えば、治療を続けてい きたいものですが)しかし、このケースのように、苦しいときにそのお手伝いができ、生活等の指導が出来たりします。それによって、少しでも血圧の安定化を 図り、楽に生活を送れるようにお手伝いできればと思っております。どうぞ血圧を安定させるために鍼治療(経絡治療)も活用いただければと思います。

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昨年4回にわたって「養生訓」から学ぶと題して連載してきました。またいつか連載してみたいと思っておりましたが、お休みしていた期間に、「連載してほしい」とのメール等をいただき、今回から始めてみたいと思います。これはあくまで「養生訓」からの抜粋ですので、興味をもたれた方は是非本を求めて学んでみてください。養生することの大切さと、その意味を知ることが出来ます。

皆さんの体調が守られ、元気に一日一日を過ごしていけますようねがっております。

“貝原益軒 「養生訓」” 中公クラシックス より抜粋

総論 下

食氣のとどこおらぬよう

およそ朝は早く起きて、手と顔を洗い、朝の行事を済ませ、食後にはまず腹を何度も撫で下ろし、食氣の循環を良くする。また京門のあたりを人差し指の内側で斜めに何度も撫でるが良い。腰も撫で下ろし、下部を静かにたたく。きつくたたいてはいけない。もし食氣がとどこおったら、顔を上向けて三、四度食毒の気をはく。朝夕の食後に長く楽な姿勢で座ってはいけない。横になって寝るようなことは、けっしてしてはならぬ。長く座り、横になって眠ると、気がふさがって病気になり、度重なると命が短くなる。

からだを動かす

家にいたら、時々自分の体力で辛くない程度の運動をするのが良い。たったり座ったりするのをめんどうがらず、室内のことは召使いを使わないで、何度も自分で立ってからだを動かすことである。

こうやっていつもからだを動かしていると、気血の循環がよく食気がとどこおらない。これが養生の要術である。

じっとしていない

華陀の言ったことに「人の身は労働すべし。労働すれば穀気消えて、血脈流通す」とある。およそ人間のからだは、欲を少なくし、時々運動し、手足を働かせ、一箇所に長く座っていないようにすれば、気血は循環してとどこおらない。養生の要務である。毎日こうしないといけない。

「流水腐らず、戸枢むしばまざるは、動けばなり。形気もまた然り」

『千金方』にいう

『千金方』に養生の道では「久しく行き、久しく座し、久しく臥し、久しく視る」ことをしないようにといっている。

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