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小児の頭痛 ( 4歳の男の子)
09th 3月 2006
車に乗ったときや疲れている時等、決まって額のあたり・こめかみのあたりに痛みがでるお子さんです。お医者さんに連れてはいっていますが、なかなか治りません。お母さんが当院の治療を受けていまして、治療中に「子供が頭が痛いとよく言うんです。鍼で治りますか」と訪ねられました。
「額の辺りが痛むのは、胃・腸の影響です。食べすぎか、お腹が冷えているからですよ。一度連れてきてください鍼で治しましょう」
お母さんと一緒に来院。ベット上に寝てもらい話を聞きつつ体全体を切診。痩せていて皮膚全体につやが出すぎている状態です。手・足は湿り冷えている状態です。
「これは冷たいもののとり過ぎです。これだけ冷えていたら頭痛が出ますね。特に冷たい飲み物・体を冷やす食べ物はできるだけ避けてください。それから食べ過ぎに注意してください。そうすればもっと元気になり頭痛もなくなってきます。鍼治療をすれば早く治るでしょう。手・足の湿り気も治りますから少しかよってください」
初回の治療を終え、気持ち良かったのか笑顔一杯で治療院を後にしました。
その後週1回程度の治療を行い、数回で頭痛は全く出なくなりました。手・足の湿り気も以前のように強くはなく、ほとんど感じられなくなりました。
時々頭が痛いという子供さんがこられますが、その大半が額からこめかみ辺りの頭痛です。どうかこのあたりの痛みを訴える子供さんには、冷たいものは禁物です。できるだけ暖かいものを与えてください。確かに頭痛を安易に考えすぎてはいけないでしょうが、こういう事例も大変多いのです。参考にしていただければと思います。
慢性扁桃炎の症例から
21st 3月 2013
-慢性扁桃炎の症例から (40歳代の女性)-
子供の頃から扁桃腺が腫れやすい状態が続 いていたという。
成人してからもその状態は続き、薬の服用は欠かせない状態であったという。
からだの疲れや風邪をひいたときなどは悪化し、体調を崩しやすかったようだ。
そんな状態が続いていたが、次第に扁桃腺の腫れが引かず、薬を服用していても改善出来なくなってきたとのこと。
常に喉の奥の方に腫れを感じ、紫黒色に変わって膿を持っている状態が常になってしまった。
何とか治したい。薬をきりたいと来院されました。
「薬を飲んではいるんですが、良くなりません。子供の頃からのことなので治りますか。出来れば薬を止めたいと思っていますので」との訴えでした。
「すぐに治りますとはいえませんが、治療を続けていくと変わってきます。はじめは実感できないと思いますが続けていくうちに必ず軽くなってきますから」と答えました。
「当初はからだを変えていくのに週2回の治療が必要です。その後状態を診ながら治療間隔を開けていきます」と説明し、初回の治療を終えました。
ベットから起き上がるとからだ全体が軽くなり、肩や首が楽になったと感じられたようです。
週2回の治療開始から、次第に体調も回復して行き、治療開始から2ヶ月たつ頃には週1回の治療ペースに変わっていました。
その間、普段から感じていた肩こり、頭痛や疲れやすさ等をあまり感じなくなっていきました。
治療開始から半年ほどたった頃には喉の違和感を感じなくなり、当初あった紫黒色に変わっていた扁桃腺は、通常の状態へと変わっていました。
その後、健康管理も含めて1年ほど通院され、現在は体調不良になられたときにのみ来院されるまで変わっておられます。
最近では、手に皮膚炎が出来たといわれて週1回にペースで2ヶ月ほど通われ完治しています。
このように長年悩まされ、薬の服用でもなかなか効果が現れないケースでも継続治療をしていくことで、免疫力を引き上げ治癒へとからだを導いていくことが可能になります。
慢性疾患を持っていてあきらめておられる方は多いと思いますが、このようなケースもあることを知っていただけたら長いトンネルの先に僅かでも光明を見出せるのではないかと思います。
更年期障害の治療例から
21st 2月 2010
更年期障害の治療例から -50歳代の女性-
数年前から更年期障害の症状に悩まされ薬を服用していました。うつ症状やホットフラッシュ・めまい等なかなか思うように仕事にもいけず家にいることが多くなっていたそうです。薬を服用していても諸症状はなかなか改善されず、次第に悲観的になっていったようです。
そんな中、当院を紹介され来院されました。声に力がなく、病の回復に対して悲観的になっていた様子が伺えました。
腹部も力なく軟弱で免疫力の下がっている状態が見受けられます。
「鍼治療を続けていきますとこれらの力のない状態からふっくらとした張りのある力強い状態に変わっていきます。声も変わってきますから、次第に自覚できるように変わっていきますよ」とお話し、継続治療することによって回復することを説明しました。
数回の治療で、声に力が戻り、頭痛やめまいが無くなってきました。当初週2回の治療でしたが、回復の様子を見て週1回に切り替え、当初服用していた薬も全く服用せずに快適に日常生活を送ることができるようになってきました。
現在は、2週に1回の割合で体調管理もかねて来院されております。その間、軽度のままい・肩こり等がありましたが、そのつど回復されて今日に至っています。
更年期障害で苦しんでおられる方は多いと聞きます。薬の服用で簡単に直るケースも追いようですが、しばらく飲んでいるのにいっこうに症状に改善の見られない方は是非、このような鍼治療をもひとつの医療として考えていただければと思います。
是非、鍼治療によって以前のような心もからだも元気な状態に戻していきましょう。このような症状に対しても、この症例のように効果を挙げられるのです。
腱鞘炎で握力まで極端に低下した症例(30歳代の男性)
19th 3月 2009
-長年の左手親指の腱鞘炎で握力がほとんどなくなってしまった-
スノーボードの全国大会に出るほどのスポーツマンで、冬季になると練習や大会にと忙しい日々を送っています。
しかし、その左手は親指の腱鞘炎を患い、スタート時に握るポールを強く握れず、常に痛みを伴っていました。
当院へは、紹介されての来院です。鍼治療はもちろん初めてで、当初はスポーツ鍼灸と銘打っていない当院で良いのかと不安に思われていたそうです。初回の治療を終え、体全体が楽になり、その上で左手の親指を動かしていただき握れる強さを確認していただきました。初回の治療ですからドーゼをすくな目におこなっていますが、本人が予期していた以上に強く握れるようになっており、しかも痛みがかなり軽減していました。これには本人もびっくりされていたようです。
「このように治療を継続していくことでよくなってきます。そして元の良い状態に戻りますよ」とお話し、初回の治療を終えました。
その後定期的に来院され、そのつど訴えられる症状を含め(頭痛・腰痛・不眠・背部痛・だるさ・胃部不快感および痛み等)治療をしていきました。そのつど訴えられている愁訴(頭痛・腰痛等・・・・)は治療毎に軽快し、楽になっています。こんなことからも信頼していただけたのでしょうか、腱鞘炎を治すために通院してくださいました。
その結果、左手の腱鞘炎はなくなり強く普通に手を握れるようになっています。
現在は、仕事もハードで疲れやすいため、体調管理を含め精神的な安定感をも含めて治療を継続されています。
今回の症例のように、現在スポーツ鍼灸という分野の鍼灸があり、鍼灸のよさを高める上でも大きな貢献をしています。しかし、スポーツ鍼灸のみがこのような症例に対応できるのではなく経絡治療をおこなうことによってもおきな効果をあげることができます。
また、昨今スポーツ選手のドーピング問題等、おちおちと風邪薬さえも飲めない状態のようです。このような薬の問題等含め体調管理、故障時の対応も含め、もう一度『経絡治療』を見直していただく時期が来ているのではないかと思います。
治療法(経絡治療・小児はり)
08th 1月 2009
治療法に関して
一般的にはり・きゅうと言いますと、太い鍼を深く刺し、しかも刺したままになっている状態を想い浮かべるでしょう。
そして鍼は痛いものと思われています。これがはり・きゅうに対するイメージでしょう。
温穂堂ではこのイメージは不要です。
全く異なり、一本ずつ丁寧に刺鍼し、やさしい・気持ち良い治療(経絡治療)を行っています。
経絡治療は『気』を調整する治療法ですから、『気』の存在する皮下2~3mmへの浅い刺鍼で十分効果があります。
しかも刺鍼時に痛みを与えますと『気』の調整ができません。
ですから安心して治療を受けていただけます。 小児はりは大人に使う鍼とは違います
当院では鍼(ていしん)、円鍼、ひら鍼を使い『気』を調整する経絡治療を行っています
いずれも皮膚に近づける程度か軽く接触する程度の治療ですから、全く痛みを与えることはありません。
経絡治療
自然治癒力を高めていくものです。
脉診により気・血の変動を知り、変動している経絡を補瀉調整し治癒へと導いていく「経絡治療」によって治療いたします。
経絡とは体をめぐる12経脉(肝・心・脾・肺・腎・心包・胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)と、各経脉間をつなぐ絡脉とを総称したものです。
東洋医学では、この経絡を流れる気・血の停滞やひずみによって病が引き起こされると考えます。
そのため変動経絡を問診・脉診・腹診によってみきわめ、気の減退しているところは補い、ありあまって正気を阻害している所は瀉し、 各経絡のストレスをとることによって自然治癒力を高め、生命力を強化して病を癒していきます。
この治療法を『経絡治療』と呼びます。
このことから経絡治療は全身を調整する全身治療法ともいわれ、バランスのとれた各経絡は自然治癒力・生命力を高めていきます。
ですからよく具合が悪いのに「どこも悪くない」といわれる方、アレルギーで悩まれている方、 内臓疾患等慢性病で苦しんでおられる方々に対しても経絡治療を継続していくことによって治癒へと導きます。
「問診」具体的に病状を聞き、主たる変動経絡をみきわめる。
「脉診」手関節の動脉拍動部に指を当てることにより各経絡の変動を知り、主たる変動経絡をみきわめる。
「腹診」腹部を触診することによって変動している経絡をみきわめる。
小児はり
こどもは成人ではありません。 急速に発育する過程にあります。
まだ大脳の発育も未熟ですし、体内の諸器官にも発育のムラがあります。
そのため諸系統のバランスがくずれやすいのです。
小児によくみられる症状として次のようなものがあります。 かん虫・夜泣き・おねしょ・おちつきがない・いらいらしている・青筋をたてる・キィキィ声をあげる・下痢・便秘・乳はき ・消化不良・扁桃炎・かぜ・ぜんそく・じんましん・湿疹・脱腸・その他。
また最近は学童期によくみられる症状として、運動不足によっておこる骨の発育不良や成長過程の脊椎の変化によって生ずる 諸器官への影響(食欲不振・めまい・はきけ等)勉強づかれに原因するとみられる頭重・頭痛・またたきチックなどがあります。
小児はりは、軽く皮膚をマサツしたり、鍼を軽く皮膚に接触したり、掻いたりする方法ですから、痛いという感覚を与えません。
お子様も怖がらずに気持ちよく安心して治療が受けられます。
小児はりの治療効果は、症状によって反射的と見られる程の速効性があるものもありますので、 迷わずお気軽に当院にご相談下さい。 小児用に使用している鍼
小児用に使用している鍼です。皮膚に軽く接触させる程度ですから、全く痛みはありません。当院では、0歳児~小学校1年生くらいまで使用します。
私の治療室から(その3)「続鍼はなぜ効くの?」
08th 1月 2007
「鍼はなぜ効くの?」と今回で3回目となりますが、書けば書くほどわかりやすくかけず、少し自己嫌悪に陥ってしまいました。わかりやすく書くことは難しいものだと改めて思い知らされています。しかし、このまま終わったのではさっぱりわからないままになってしまいますので、別の角度から再度チャレンジしてみることにしました。私が普段治療室で話していることなどをベースにしてみます。
まず、その1で書きましたように一般的な鍼のイメージは痛むところ・悪いところに鍼を刺して痛み等をとってくれると言うことのようです。これは大きな間違いではありません。実際にテレビや最近良く聞く健康番組等では、「この穴はどこそこに効く穴」「足のむくみにはこの穴を刺激してください」とかわかりやすく紹介しています。これは、東洋医学・鍼灸を普及すると言う観点ではいいのでしょうがこれだけでは東洋医学のすばらしさを伝えられません。
私たちは、生まれてこれまで西洋医学の中にどっぷりとつかり、西洋的な科学の中で生活しています。ですから鍼灸の世界においても病名・症状からこれに効く何々と考えてしまいます。鍼灸・東洋医学に携わっている私でさえ、ついつい西洋的なものの考え方をしてしまいます。ですから無理もないのです。でも東洋的な思想の中で生まれてきた鍼灸・東洋医学は、やはりその生まれてきた思想背景で考えていかなければ本来の意味を間違って解釈してしまいます。
またまた難しくわかりにくいことを書き連ねてしまいましたが、大切な部分ですので書いてみました。不十分な説明ですが、鍼灸の根底に流れる東洋的な思想・考え方と言うものがあることをご理解ください。
では、わかりやすく私が治療していることから書いてみましょう。
『頭痛のある患者さんの場合』
例えば偏頭痛の方で頭の脇が傷むという人がいます。一般的なイメージからすれば痛むところに鍼をすれば良い訳ですから、その部に何回も鍼をすることですむでしょう。でも、東洋的な古典鍼灸ではそうは考えません。「どうしてこの部に痛みが出るのか」これを東洋的に考察します。これを四診法(望・聞・問・切)を駆使し、原因(経絡の変動)を探ります。このときに切診のなかに含まれる脉診・腹診を十分に活用して経絡変動を見極めます。そして治療に入るのです。
その結果、この経絡変動を調整することによって、訴えのあった頭痛がなくなっていきます。このことは痛みをとるのみでなく、頭痛を発症しているからだの歪をも治しているのです。
次に、目の下にくまが出来ることがありますね。これは体が疲れきってぐったりしているようなときに見かけられます。それではこれを治すのにそこに鍼をするのでしょうか。そうされる方もいられるかもしれませんが。これは「胃・消化器系」の反応ですから体の示す変動経絡を理論によって調整することで次第に回復してくるのです。
このように、東洋医学のおける鍼灸は、東洋的な理論によってのみその力をフルに発揮できるといえるでしょう。
「鍼はなぜ効くの?と問われて答えるとすれば、東洋的な思考の内臓を中心とした経絡の変動が起こすからだの歪を鍼によって調整できるからです」と答えてしまいます。わかりにくいでしょうが。
ポイント
消化器の症状で次のようなことがあります。
- お腹がすいているのに食べるとすぐにお腹が一杯になる。
- お腹がすかないのに食べ始めると一杯食べれてしまう。
- お腹もすかないしあまり食べたいとも思わない。
これらはそれぞれに意味のある経絡変動を表しています。このような症状がある時には無理をして食べすぎず、からだを回復させることに心がけてください。
貝原益軒「養生訓」から学ぶ(その4)
08th 8月 2006
引き続き貝原益軒の「養生訓」から学びつつ、皆さん健康のお役に立てればと思います。
来月は、私なりの総括をしてひとまず閉じたいと思っております。苦労せず、薬等で体調を整えようと安易に考えがちな現代人に注意を喚起していきたいものです。
「中公クラシックス・貝原益軒 養生訓より抜粋」
気血のとどこおらぬよう
陰陽の気というものが天にあって、流動して滞らないから春夏秋冬がうまくいき、万物の生成がうまくいくのだ。陰陽の気がかたよってとどこおると、流動の道がふさがって冬が暖かで夏が寒くなったり、大雨・大風などの異変があったりして、凶作や災害を起こす。人のからだでもまたそうだ。気血がよく流動してとどこおりがないと、気が強くなり病気にならない。気血が流動しないと病気になる。その気が上のほうにとどこおると頭痛やめまいになり、中ほどにとどこおると心臓や腹の痛みとなり腹がはり、下のほうにとどこおると、腰痛・脚気となり、淋せん(排尿病)・痔漏となる。このためよく養生しようとする人は、できるだけ元気のとどこおらぬようにすることである。
心のなかの主人
養生を志す人は、いつも心の中に主人がなくてはならぬ。主人があると、思慮をして是非をみわけ、怒りを抑え、欲を防いで間違いが少ない。心に主人がないと、思慮がなく、怒りと欲とをこらえないで好き勝手なことをして間違いが多い。
我慢が肝心
何事でも、一時的に気持ちのいいことは、必ずあとで禍になる。酒食を好きなだけ取れば気持ちがいいが、やがて病気になるようなものだ。はじめに我慢すれば、必ずあとの喜びになる。
病気のもと
気は一人のからだの中の全体にいきわたるようにしなければならぬ。胸中の一箇所に集めてはいけない。怒り・悲しみ・憂い・思いがあると胸中の一箇所に気がとどこおって集まる。七情が過度になって、気がとどこおるのは病気のおこるもとである。