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ヘルニアの症例

03rd 5月 2009

1.腰椎椎間板ヘルニア(30歳代の女性)

「第4・5腰椎の椎間板がはみ出し神経を圧迫していると診断されました。痛みが出てから半年ほどになりますが、痛みは一向にひかず増すばかりで、歩くことも困難になっています」と紹介され、来院されました。

もともと腰痛もちで、疲れてくると左腰に重い痛みを感じていましたが、今回のような症状は初めてとのことでした。

左臀部の痛みと下肢にかけての痺れが強い状態です。腰をまっすぐに伸ばすことができず、腰を曲げた状態で左足を引きずるような歩き方しかできない様子です。

ベット上に横になっていただいて初回の治療開始となりました。鍼治療は始めての体験とのことです。横になったままで、所定の本治法・標治法を終え、腰部に施灸をして初回の治療を終えました。腰をまっすぐに伸ばせない状態から、少し伸ばせるようになり、引きずるような歩き方から左足を前に出せるような歩行に変わっていました。

仕事の関係で、週1回くらいしか治療にこれないとのことでしたが、当初はできるだけ間隔をあけずに来院してほしいとお話したところ5日に1回程度の間隔で来院してくださいました。

継続治療の結果、当初一進一退を繰り前していましたが、2ヶ月ほど過ぎたころから歩行が楽になり腰を伸ばして仕事ができるようになっています。しかし仕事量の増加や、寒さにあったったりして症状の悪化を引き起こしてしまいました。このころの治療間隔は週1回から10日に1回のペースになっていました。

「寒さにやられているので、一時的に悪化していますが大丈夫です」とお話し、引き続き治療をおこないました。その後数回の治療で悪化した症状は全く影を潜め、これまでヘルニアで悩んでいたことがうそのように改善されました。

その後、しばらく体調管理ともともとあった腰痛の治療を数回行い、治療を終えました。

 

2.頚椎椎間板ヘルニア(40歳代の女性)

右肩から右上肢にかけて痛みと痺れを伴い、痛みのため夜もなかなか眠れないとのことです。

「以前、手の腱鞘炎で鍼治療をおこなった事があったそうですが、、そのときの鍼治療の痛みに2回目の治療には行かなかったといわれました。でも、痛みが辛く、その様子を見かねた知人がこちらを紹介してくれたので来院しました」とのことです。img0022

この方は、非常に敏感な方です。そのため慎重な刺鍼が要求されます。でも、経絡治療の刺鍼をおこないさえすれば全く問題のないことですが。

初回の治療を終え、ベット上に座位になっていただくと、今まであった痛みがうそのように軽くなっていました。「このような鍼なら続けられそうですか?」「この鍼なら痛くありませんので大丈夫です」

当初週2回の治療からはじめ、回復具合を見ながらはやめに週1回の治療へと切り替えました。

頚椎ヘルニアが主症状なのですが、その他に消化器系、特に胃の調子が日ごろから悪い方で、ヘルニアの治療とともに消化器の治療をもやっていますと伝えつつ、継続治療をおこなっていきました。

3ヶ月ほどの治療で改善され、現在は時折体調管理で来院されております。

実は、腰椎・頚椎ヘルニアという病因には、消化器系の果たす役わりが非常に大きいのです。このことについては、また別の機会にご報告させていただけることがあると思いますので、その機会に譲りたいと思います。

この症例のように、痛みに非常に過敏な方でも経絡治療により、苦痛なく治癒へと導いていけます。

「鍼は痛くていやだ。お灸は熱くていやだ」といわれる方、また、そう思われておられる方も認識を改めていただけますでしょうか。

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ー妊娠初期からつわりで食事もとれず体調不良の状態ですー

当院へは、不妊治療で来院されていました。胃腸が子供のころから弱く、下痢をしやすい状態が続いているそうです。その他、冷えのため足が非常に冷たく、慢性的な腰痛をもうったえておられました。

治療を継続していくと、次第にひえが改善され、しびれていた下肢や痛みのあった腰が改善され、普段は気にならない状態に変わっていきました。

そのような変化の中、妊娠することができましたが、妊娠と同時につわりが始まりました。次第に胃がむかむかしだし食べられない状態へと変わっていきました。時には具合が悪く、一日横になっている日も出てきたそうです。

そのため、治療を継続していただきながら、つわりを軽くしていきました。「治療後は、数日間楽になります」継続治療により、日々楽になっていき、妊娠5ヶ月にはつわり症状は消えていきました。

つわりは、人によってその強さも期間もさまざまです。妊娠5ヶ月を過ぎても、強いつわりに苦しんでおられる妊婦さんもおられます。つわりをあまり感ぜずにこの時期を過ごされる妊婦さんもおられます。

でも、つわりで苦しんでおられる妊婦さんにとっては、大変苦しい時期を過ごすことになります。入院される妊婦さんもおられるほどです。そのようなかたがたでも、経絡治療を継続することによって比較的楽にこの時期を乗り越えていくことができます。更に、妊娠初期の体調管理や胎児の成長にも大きな力を発揮します。つわりで苦しく、仕事もできない・家事仕事にも就けないと思い悩む前に、一度ご検討ください。

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-長年の左手親指の腱鞘炎で握力がほとんどなくなってしまった-

スノーボードの全国大会に出るほどのスポーツマンで、冬季になると練習や大会にと忙しい日々を送っています。

しかし、その左手は親指の腱鞘炎を患い、スタート時に握るポールを強く握れず、常に痛みを伴っていました。

当院へは、紹介されての来院です。鍼治療はもちろん初めてで、当初はスポーツ鍼灸と銘打っていない当院で良いのかと不安に思われていたそうです。初回の治療を終え、体全体が楽になり、その上で左手の親指を動かしていただき握れる強さを確認していただきました。初回の治療ですからドーゼをすくな目におこなっていますが、本人が予期していた以上に強く握れるようになっており、しかも痛みがかなり軽減していました。これには本人もびっくりされていたようです。

「このように治療を継続していくことでよくなってきます。そして元の良い状態に戻りますよ」とお話し、初回の治療を終えました。

その後定期的に来院され、そのつど訴えられる症状を含め(頭痛・腰痛・不眠・背部痛・だるさ・胃部不快感および痛み等)治療をしていきました。そのつど訴えられている愁訴(頭痛・腰痛等・・・・)は治療毎に軽快し、楽になっています。こんなことからも信頼していただけたのでしょうか、腱鞘炎を治すために通院してくださいました。

その結果、左手の腱鞘炎はなくなり強く普通に手を握れるようになっています。

現在は、仕事もハードで疲れやすいため、体調管理を含め精神的な安定感をも含めて治療を継続されています。

 

今回の症例のように、現在スポーツ鍼灸という分野の鍼灸があり、鍼灸のよさを高める上でも大きな貢献をしています。しかし、スポーツ鍼灸のみがこのような症例に対応できるのではなく経絡治療をおこなうことによってもおきな効果をあげることができます。

また、昨今スポーツ選手のドーピング問題等、おちおちと風邪薬さえも飲めない状態のようです。このような薬の問題等含め体調管理、故障時の対応も含め、もう一度『経絡治療』を見直していただく時期が来ているのではないかと思います。

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「主訴」 左膝関節内側痛(腫脹を伴う)    40歳代の男性

「問診」 1ヶ月前くらいから左膝に違和感を感じていたが、そのままにしておいた。そんな中、バレーボールの練習があり、練習中に少し重い感じがしたが、練習の間は問題なく痛みもなく動けていた。しかし、翌朝左膝に強い痛みが出、内側に熱を持った腫れが出ていた。起き上がって足を突いてみると、痛みのため足がつけない状態になっていた。仕事にも行けない状態が続き、痛みも一向に引かず、整形外科には行っているがあまり進展しないため、当院に来院。膝をまっすぐに伸ばすことが出来ない。慢性腰痛あり。右膝に慢性的な痛みあり。

「切診」 主訴部は熱を持ち、腫脹している。足は冷えていて、少し湿りかげん。脾経上に痛みあり。

「腹診」 大腹にややかんげとざらつきあり。小腹(肝の見所に圧痛あり。 「脉状診」 沈 虚

「比較脉診・証決定」 肺虚肝実  右適応側(主訴の左・腹部の状態から)

「本治法」 右太淵・太白に補法(難経69難から)  左中封に補中の瀉法  「陽経の処理」 左豊隆・光明 右外関に補中の瀉法

「標治法」  亜門・大椎・至陽・命門(脊際の虚実の見極めが大切)・仙腸関節の虚実の処理  左ムノ部の動脈拍動部

主訴腫脹部のふもと(虚実の境目)に補鍼

「使用鍼」 補法 銀1寸2番  瀉法・標治法 銀1寸3番  コバルト1寸1番

「臨床のポイント」

1.主訴部は熱を持ち、腫脹しているため深い鍼は避け、鍼数はきわめて少なくする。(虚実の境目に注目)

2.ムノ部の動脈拍動部への刺鍼が大切です。(膝の内側に影響を与えます) 仙腸関節の左右差の調整

3.痛みが強く、歩けないため奇経や子午調整が必要です。

「解説」

本治法については、基礎的な知識が必要ですのでここでの解説は控えます。(五十肩の治療例に同じ)

標治法においては、主訴部に刺鍼したくなるものですが、この部分への深い刺鍼はかえって痛みをまし、回復を遅らせます。

更に、主訴部のみにとらわれ、体全体を見なくならないように注意する必要があります。当然、体幹への刺鍼が大切です。つまり全体を見ながら主訴部を考え、免疫力のアップのために、上下左右の虚実の調整が大切です。その中でも、ムノ部(動脈拍動部・仙腸関節)への虚実を踏まえた刺鍼が大切となります。

治療経過は、初回の治療でまっすぐに伸びなかった左膝は、翌朝にはまっすぐに伸ばせるようになっています。

週3回の治療で仕事に復帰できるようになっています。

主訴部(患部)のみにとらわれないように注意しましょう。

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「主訴」 右五十肩(夜間痛を伴う)  冷え性   50歳代の女性

「問診」 右肩関節が痛み出し、しばらくほっておいたが痛みは強くなり、接骨院を受診。治療を継続して痛みはなくなり治療を終えた。その後、

1ヶ月ほどたって夜間に痛みが出、眠れない状態になってしまう。再び接骨院で治療を再開したが、痛みは一向に引かず夜は痛みで良く眠れない日々が続いた。

「切診」 主訴部は冷えて軟弱な感じ。大腸経・三焦経上に痛み、硬結あり。大腸経に細絡あり。背腰部は虚軟で皮膚に艶なし。特に腰部にこそう目立つ(慢性腰痛あり)

「腹診」 大腹・小腹とも虚軟で艶なし。大腹にやや硬さが目立つ。 「脉状診」 沈 遅 虚

「比較脉診・証決定」 肺虚肝実  左適応側(主訴の右・腹部の状態から)

「本治法」 左太淵・太白に補法(難経69難から)  右中封に補中の瀉法(穴反応から)  「陽経の処理」 右偏歴・光明に補中の瀉法

右陽池に補法

「標治法」 亜門・大椎・至陽・命門(脊際の虚実の見極めが大切)  施灸_ 至陽・大腸経の細絡

「使用鍼」 補法 銀1寸2番  瀉法 ステンレス1寸2番  標治法 銀1寸3番

「臨床のポイント」

1.主訴が上焦部にあるため、下位頚椎から上位胸椎部(特に脊際の虚実への的確な刺鍼が大切_左右差)

2.至陽穴への刺鍼および施灸(当然、刺鍼時には脊際の虚実_左右差の見極めが大切)

3.大腸経上に現れる細絡への施灸(痛んでいる流注上に現れてきます。但し、視覚的にはわかりずらい)

「解説」

本治法については、基礎的な知識が多少は必要ですのでここでの解説は控えます(但し、刺鍼にあたっては標・本ともに虚実への的確な刺鍼技術が必要とされますが、特に本治法においては大切となります)

標治法において、臨床のポイントで挙げましたが、大椎穴以下の上位胸椎、特に脊際の左右差・虚実への的確な刺鍼が大切となります。多くの場合、五十肩はこれらの部にゆがみが存在し、このゆがみを是正していかないと痛みは取れても腕が思うように上がりません。

ただこの部だけを意識しすぎて鍼数を増やしては逆効果となります。あくまで経絡治療は全体のバランスの中で刺鍼し、診ていかなければなりません。当然、下焦部への刺鍼が大切となります。バランスの取れた治療は、陰陽を調和させ、その結果として上焦部のゆがみを治すのです。

大腸経に現れた細絡は、指腹の感覚で捉えるもので、訓練を経ないとなかなか見つけられませんが、「きっとあるはずだ」と思いつつ訓練してください。その感覚的な言葉ではなかなか伝えにくいものです。

この症例は、あくまで私の治療の仕方によって書いていますので、これが最善とはいえません。もっと良い治療をしておられる治療家は多いはずですので、あくまで参考に留めてください。ちなみに私の標治法はきずかれたかも知れませんが、脊際への刺鍼のみで鍼数は少なくなっています。

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「鍼はなぜ効くんだろう」との疑問について、前回少しお答えしましたが、『』がポイントとだけお話して終わってしまいました。

治療とは、「手当てから」始まったとも言われます。痛むところに手を当てることから始められましたそのことからすると、痛むところに鍼を刺す。痛むところを揉み摩る。と言うことはわかりやすいでしょう。しかし、それのみに留まらず、『氣』の存在を発見し、経絡経穴を見つけ出すことによって、経絡中に流れる氣・血の過不足を調整する方策を見つけ出したのです。この調整によって病や痛み等を治癒させていくことが更にパワーアップされていきました。この体系が完成し、古典と言われる医学書(黄帝大経)が紀元後間もなく完成されています。

ちょと難しい話になってしまいました。出来るだけわかりやすく例を挙げながら解説してみましょう。

例えば腰痛の場合。

当院に初めて来られて腰痛を訴える患者さんの中で、すぐにうつ伏せになって待っておられる方がいらっしゃいます。腰が痛いので、腰に鍼をしてもらいたいとの思いが働くのでしょうか。これに関しては、鍼灸未経験者でも同じ光景を見る事があります。つまり、潜在的に鍼は痛むところに刺すものとの固定観念があるのでしょうか。これもひとつの方法ではありますが。

私はすぐに仰向けになってもらい、問診等を行い、脉診を経て腰痛を起こしている基となる経絡の変動(氣・血の過不足)を見極めます。そして、この変動を調整することによって経絡のバランスをとり、そのことによって内臓(臓腑経絡)バランスを取っていきます。

その結果、腰痛を治そうとする力が増し(もともとあるが低下している治癒力を回復させる)痛みを取り除いていくことが出来るのです。

この際の刺鍼箇所は、病体が教えてくれている「証」によって示された手・足の要穴に対して行われます。この治癒力をまず増進させる刺鍼が大切なのです。

仕上げとして、痛む箇所への刺鍼を数本加えて治療を終えます。

やさしく書こうとすればするほどどつぼにはまってしまい、益々わかりにくくなってしまいました。

乳幼児の治療などは、てい鍼(ていしん)と呼ばれる刺さない鍼を用います。先ほど書いたように、体があらわす「証」によって手足の要穴にこの鍼を近ずけるだけで改善されていきます。

痛むところに鍼を刺し、刺激して改善させるとはずいぶん違いますよね。

「なぜ鍼は効くのか?」との答えにはなっていないようですが、鍼は痛むところに刺して刺激を与えて治癒させるというだけのものではなく、二千年以上前から伝えられてきている『氣』を調整すると言う極めて神秘的な刺鍼法・技術によってのみ達成されていくものといえます。

ポイント

「体が重く疲れやすい。気持ちが落ち込んで何にも出来なくなる等。この他、症状がある場合には必ず経絡の変動があります。氣による調整が必要です」

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赤ちゃんがほしいと紹介されて来院されました。2回ほど治療をしましたが、その後治療の継続とならず、半年ほどたった頃、再度連絡を頂、治療の再開となりました。問診しますと、「産婦人科で治療を受けていましたが、妊娠出来ませんでした。どうしても赤ちゃんがほしいのです。鍼治療を続けたいと思っていますのでよろしくお願いします」「今までの経験から半年はかかると思いますが、辛抱して通ってください。体は必ず変わっていってくれますよ」

仕事の関係で週に1回程度の治療となりますが、出来るだけ来院をお願いして治療を再開しました。

治療を始めますと、手・足は冷えていて湿り気を帯、お腹は全体的に堅く、小柄で細い体形をしています。全体から受ける印象は、虚体という感じでした。週1回の割りで治療を継続していきますと、次第に湿っていた手・足が温かく乾いた感じに変わっていきました。この間、生理痛・腰痛・体のだるさ等を訴え来院し、その都度軽快して治療を終えていました。

治療を初めて3ヶ月ほどたった頃から、硬いお腹が柔らく変わってきました。この変化は、単なるこの部だけの変化だけではなく、腹部内臓の変化が起こっている証拠なのです。冷たい手・足は内臓の冷えをあらわし、冷えて機能低下しているために腹部が硬く冷たくなっているのです。つまり、お腹の硬さが取れてきたということは、体が温まってきているということをあらわしています。ここでようやく妊娠しやすい状態を作り出してきているといえるでしょう。

半年ほどたって「先生、妊娠しました。ありがとうございます」 「おめでとうございます。大事にしていきましょう。これからも定期的に治療を続けてください。安産の治療をしていきましょう。共に元気で出産を迎えましょう」

その後つわりが強く、治療を続け、無事つわりの時期を乗り越えました。安定期に入り、落ち着いた日が続いていましたが、妊娠7ヶ月頃からお腹が張り出し、仕事もなかなか休めないため余計にはったようです。その都度、治療をしてお腹の張りを取りながら、仕事もなお、続けていました。しかし、冬に入り遠方からの通院なので治療に来ることが難しくなり、お腹の張りがだんだん強くなっていったようです。結果的に、出産予定日よりもかなり早く入院し、出産に備えたようです。その後、今年の1月に無事元気な男の子を出産されました。

臨月に入って、治療が出来なくなリましたが、無事出産されたと聞いて少しは責任を果たせたかなと思っております。赤ちゃんがほしいがなかなか恵まれない方が増えています。そんな中で少しでもお手伝いできたことは、私にとっても大変嬉しいことです。「鍼を受けてみようかな」と迷っている人がおられると思いますが、まず始めてみませんか。一歩踏み出すことで、新たに見えてくるものがあるかもしれません。思い切って重い腰を上げてみませんか。

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引き続き貝原益軒の「養生訓」から学びつつ、皆さん健康のお役に立てればと思います。

来月は、私なりの総括をしてひとまず閉じたいと思っております。苦労せず、薬等で体調を整えようと安易に考えがちな現代人に注意を喚起していきたいものです。

「中公クラシックス・貝原益軒 養生訓より抜粋」

気血のとどこおらぬよう

陰陽の気というものが天にあって、流動して滞らないから春夏秋冬がうまくいき、万物の生成がうまくいくのだ。陰陽の気がかたよってとどこおると、流動の道がふさがって冬が暖かで夏が寒くなったり、大雨・大風などの異変があったりして、凶作や災害を起こす。人のからだでもまたそうだ。気血がよく流動してとどこおりがないと、気が強くなり病気にならない。気血が流動しないと病気になる。その気が上のほうにとどこおると頭痛やめまいになり、中ほどにとどこおると心臓や腹の痛みとなり腹がはり、下のほうにとどこおると、腰痛・脚気となり、淋せん(排尿病)・痔漏となる。このためよく養生しようとする人は、できるだけ元気のとどこおらぬようにすることである。

心のなかの主人

養生を志す人は、いつも心の中に主人がなくてはならぬ。主人があると、思慮をして是非をみわけ、怒りを抑え、欲を防いで間違いが少ない。心に主人がないと、思慮がなく、怒りと欲とをこらえないで好き勝手なことをして間違いが多い。

我慢が肝心

何事でも、一時的に気持ちのいいことは、必ずあとで禍になる。酒食を好きなだけ取れば気持ちがいいが、やがて病気になるようなものだ。はじめに我慢すれば、必ずあとの喜びになる。

病気のもと

気は一人のからだの中の全体にいきわたるようにしなければならぬ。胸中の一箇所に集めてはいけない。怒り・悲しみ・憂い・思いがあると胸中の一箇所に気がとどこおって集まる。七情が過度になって、気がとどこおるのは病気のおこるもとである。

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体調がすぐれず、なかなか眠れないと来院された患者さんでしたが、問診の中で緑内障があることを云われました。「眼圧が高めで、視野の欠損が出てきています。定期的に眼科で視野の検査を受けています」

「緑内障も含めて治療していきましょう。眼圧も次第に下がってきますから、まずは体調を整えつつ、全身を調整していきましょう」低眼圧性の緑内障のようです。来院当初の眼圧は20前後でした。

当初は、週2回の治療から始め、1ヶ月程経過してから体調を診ながら、週1回の治療に切り替えました。治療はその時々、肩こり・右肘の痛み・腰痛・眠りずらい等訴えを主としながら全身調整を継続していきました。

そんな中、治療を開始してから半年ほどたって、眼圧検査を受けたところ、20前後あった眼圧が13程度に下がっていました。その後、体調により多少の眼圧の上がることはありましたが、比較的安定した状態が続いていました。1年ほど経過して、視野検査を受けたところ今まで見えていなかったところが少し見えるようになって、視野が広がっていました。まだ完全な状態ではありませんが、少しずつ体が変化していい状態を作り出しているようです

今年に入り、春に視野検査を受けたところ、はっきりと視野狭窄が緩和され、視野が広がっています。患者さんもびっくりしておられました。「鍼って不思議ですね」「そうですね。鍼をして全身をと整えておくことによって、体は悪いところを修復しつずけています。体の力を信じていきましょう。そのためにも、体調を整えておくことが大切ですね」

現在も体調管理のため、週1回治療に来られています。その都度、少し症状が出ることがありますが、それらをその治療ごとに解決しながら体を整えておくことで、今も修復が体内で続いています。この体の作用に期待しつつ、これからも治療を継続していくことになります。現在は、眼圧9と安定しています。本人曰く、眼圧が一桁になったのは始めてのことだそうです。

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