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車に乗ったときや疲れている時等、決まって額のあたり・こめかみのあたりに痛みがでるお子さんです。お医者さんに連れてはいっていますが、なかなか治りません。お母さんが当院の治療を受けていまして、治療中に「子供が頭が痛いとよく言うんです。鍼で治りますか」と訪ねられました。

「額の辺りが痛むのは、胃・腸の影響です。食べすぎか、お腹が冷えているからですよ。一度連れてきてください鍼で治しましょう」

お母さんと一緒に来院。ベット上に寝てもらい話を聞きつつ体全体を切診。痩せていて皮膚全体につやが出すぎている状態です。手・足は湿り冷えている状態です。

「これは冷たいもののとり過ぎです。これだけ冷えていたら頭痛が出ますね。特に冷たい飲み物・体を冷やす食べ物はできるだけ避けてください。それから食べ過ぎに注意してください。そうすればもっと元気になり頭痛もなくなってきます。鍼治療をすれば早く治るでしょう。手・足の湿り気も治りますから少しかよってください」

初回の治療を終え、気持ち良かったのか笑顔一杯で治療院を後にしました。

その後週1回程度の治療を行い、数回で頭痛は全く出なくなりました。手・足の湿り気も以前のように強くはなく、ほとんど感じられなくなりました。

時々頭が痛いという子供さんがこられますが、その大半が額からこめかみ辺りの頭痛です。どうかこのあたりの痛みを訴える子供さんには、冷たいものは禁物です。できるだけ暖かいものを与えてください。確かに頭痛を安易に考えすぎてはいけないでしょうが、こういう事例も大変多いのです。参考にしていただければと思います。

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小児と低体温症

08th 3月 2006

昨年にも「冷えについて」の中で、小児の低体温についてお話しました。また、いつかこのお話をしてみたいと思いつつ、ようやく今月にその機会が訪れました。

私ごとですが、いつも朝、開院準備をしながらラジオを聞いています。ちょうど私が朝の刺鍼練習をしている時間、もしくは刺鍼練習後治療に向けて指を作っている時間に好きなラジオのコーナーが始まります。「ライフパレット・子育て応援コーナー」です。こう書きますと「あぁ~」とお分かりになられる方もいらっしゃるでしょう。私もこのコーナーのお話しを聞いて「なるほど~」と納得させられることが多いのです。その中で「小児の低体温症」に関するお話がありました。私自身もこの問題について以前に触れていましたので、いつも以上に耳を傾けました。そして、いつかまたこの問題に触れたいと思った次第です。

現在、四人に一人の割合で低体温の小児がいるそうです。当院を訪れる小児たちも大体の場合、手足が冷たく、しかも手足がかなり湿っているのです。

小児と言えば新陳代謝が活発で、体温が高いと言うのが通り相場のはずです。よく冷え性のお母さんが子供に添い寝するとき、湯たんぽを抱いているようだと言われたものです。でも、こんな話が昔話になってしまいそうな勢いです。このことを案ずるのは私だけでしょうか。

「どうして」と問われても、そこにはいろいろな原因があげられるでしょうから「これが」と言える決定的なものをあげることは難しいでしょう。でもあえてあげてみましょう。

ひとつは、生活習慣の変化です。現在、私たちは密閉された快適な空間で生活しています。昔のように隙間風が入って寒い部屋にいることはほとんどないでしょう。そのため外界からの刺激に対して弱い状態を作り出しています。更に、問題点は、クーラーの影響が非常に大きいでしょう。

タクシーの運転手さんが言います。「クーラーで冷やされるのが一番辛いです。芯から冷えてきていくら暖めても体が元に戻らないんです。冬の暖房よりもずっと悪いですね」

もうひとつは食事の問題でしょう。外国の料理が入り込んで、目にも口にもおいしい料理があふれています。そのため、日本人が培ってきた和食・家庭料理が忘れ去られています。日本人が大切にしてきた陰・陽がなくなってきました。そのために体を芯から温める食事が追いやられ、体を冷やす食事が人気を博しています。その結果、体は冷えるべくして冷えていると言えるでしょう。

冷えのために体調を崩し、治療に来られている方が大半です。

少し考えてみてください。忙しい日々を送っておられ、そこまで余裕がないとは思いますが、低体温の虚弱な子供さんではなく、子供らしい元気一杯な湯たんぽのようなお子さんに育てたいものですね。

一考をお願いします。

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