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高血圧症(60歳代の女性)
09th 4月 2007
長年高血圧のため抗圧剤を服用していましたが、服用していたにもかかわらず血圧が高くなってしまい、肩から胸にかけて痛みが出るようになりました。特に、心臓が痛むような感覚を覚えたそうです。
抗圧剤を服用していても、急に血圧の上昇すること方がおられます。時折こういう方が治療に診えられ、体調を戻されるケースがあります。今回のケースは、そんな中でも体調を崩され、特に心臓が痛いという表現をされたということで、紹介させていただきます。
当 院へは紹介されて来院されました。早速、問診し脉診をしましたら硬く沈んだ状態です。また、頸部から肩にかけて硬く張り、「いかにも血圧が高い人だなぁ」 と思わせるような体の状態です。鍼治療は初体験ですので、すこし説明しつつ初回の治療に入りました。治療後、硬くて沈んでいた脉は柔らかく少し浮いた状態 に変わっていました。「硬くて沈んでいる脉の状態が、柔らかく浮いてしまった脉に変わっていきます。長い間、薬を服用されていますのですぐには難しいです が、少しずつ近ずけていきます。そうなっていきますと、次第に血圧も安定し痛みもひいてきますよ」
当初、週2回の来院をしていただきましたが、2週間後には5日おきに1回の割合で来院していただきました。
治療開始から3週間ほど過ぎて、訴えておられた心臓の痛みはなくなり、苦しかったからだの不調も整ってきました。この頃から週1回の治療に切り替え、以後しばらくの間、体調の調整に来院いただきました。
初診時に感じていた痛みや体調不良はなくなり、血圧も安定しています。このケースのように、高血圧のため抗圧剤を服用されている方は多いようです。しかし、服用しているにもかかわらずなかなか血圧が安定せず、急に高くなる方々も多いと聞いています。
本 来なら、薬を服用しなくても良くなるまで治療できるといいのでしょうが、これはなかなかいろんな意味で難しいといえます(理想論で言えば、治療を続けてい きたいものですが)しかし、このケースのように、苦しいときにそのお手伝いができ、生活等の指導が出来たりします。それによって、少しでも血圧の安定化を 図り、楽に生活を送れるようにお手伝いできればと思っております。どうぞ血圧を安定させるために鍼治療(経絡治療)も活用いただければと思います。
貝原益軒「養生訓」から学ぶ(その5)
08th 4月 2007
昨年4回にわたって「養生訓」から学ぶと題して連載してきました。またいつか連載してみたいと思っておりましたが、お休みしていた期間に、「連載してほしい」とのメール等をいただき、今回から始めてみたいと思います。これはあくまで「養生訓」からの抜粋ですので、興味をもたれた方は是非本を求めて学んでみてください。養生することの大切さと、その意味を知ることが出来ます。
皆さんの体調が守られ、元気に一日一日を過ごしていけますようねがっております。
“貝原益軒 「養生訓」” 中公クラシックス より抜粋
総論 下
食氣のとどこおらぬよう
およそ朝は早く起きて、手と顔を洗い、朝の行事を済ませ、食後にはまず腹を何度も撫で下ろし、食氣の循環を良くする。また京門のあたりを人差し指の内側で斜めに何度も撫でるが良い。腰も撫で下ろし、下部を静かにたたく。きつくたたいてはいけない。もし食氣がとどこおったら、顔を上向けて三、四度食毒の気をはく。朝夕の食後に長く楽な姿勢で座ってはいけない。横になって寝るようなことは、けっしてしてはならぬ。長く座り、横になって眠ると、気がふさがって病気になり、度重なると命が短くなる。
からだを動かす
家にいたら、時々自分の体力で辛くない程度の運動をするのが良い。たったり座ったりするのをめんどうがらず、室内のことは召使いを使わないで、何度も自分で立ってからだを動かすことである。
こうやっていつもからだを動かしていると、気血の循環がよく食気がとどこおらない。これが養生の要術である。
じっとしていない
華陀の言ったことに「人の身は労働すべし。労働すれば穀気消えて、血脈流通す」とある。およそ人間のからだは、欲を少なくし、時々運動し、手足を働かせ、一箇所に長く座っていないようにすれば、気血は循環してとどこおらない。養生の要務である。毎日こうしないといけない。
「流水腐らず、戸枢むしばまざるは、動けばなり。形気もまた然り」
『千金方』にいう
『千金方』に養生の道では「久しく行き、久しく座し、久しく臥し、久しく視る」ことをしないようにといっている。
第2回学生向け経絡治療講習会終了報告
18th 3月 2007
国家試験後の講習会となり、学生の皆さんにPRする時間が足り無かったため十分に告知できずご迷惑をおかけいたしました。次回はもう少し余裕を持って告知していきますので、今回参加できなかった学生の方々も、奮ってご参加ください。
今回の講習会も、まず経絡治療というものを体験していただくことを第1におこないました。体験することで、経絡治療のよさを少しでも知っていただいき、 この治療法に取り組んでいただければと思います。また、多数の方が次回の講習会に参加したいとの声がありました。
そして、経絡治療の大切な基本である脉診・基本刺鍼のさわり部分を学んでいただきました。
講習会スケジュール
午後1時00分~4時40分
1. 質問会
経絡治療に対する質問をいただき、それに答えながら講習会の中で実際に体験していただきました。
2. 実技1 脉診
脉状診・比較脉診の基本的なやり方を指導しています。
3. 実技2 基本刺鍼
経絡治療のおいて大切な刺鍼の仕方、補法・瀉法について指導しています。
4. 経絡治療体験コーナー
実際に望・聞・問・切診の四診法を駆使し、治療体験をしていただきました。時間をたっぷりとり、受講生の質問に答えながらおこないました。
5. 質問会
実技を終えて最後にもう一度質問の時間を設けました。
「受講者アンケートから」
・学生1年生(2回目)
脉診の感覚をつかむのが難しかった。毎日自分の脉を診たいと思います。
・学生2年生(3回目)
いつも丁寧にご指導いただきありがとうございます。
学校で習っている技術よりも、やはり、かなり難しいので、習得がかなり難しそうですが、また、次回も是非参加させていただき勉強させていただきます。
・学生2年生(3回目)
身体がすっきりしました。脉診ではっきり状態の差がわかったのが今回が初めてでした。嬉しかったです。
・学生3年生(1回目)
学校の実技で脉診は経験しましたが、このように奥深いところまで習いませんでした。実際に治療を受け身体が楽になったことに驚きました。丁寧にご指導いただきありがとうございました。
・学生3年生(3回目)
毎回熱心に指導していただき感謝しております。学生生活(授業)以外にたくさんのことが学べました。
自分がどういった治療を勉強したいかほぼ固まりました
今後も講習会などに参加してみたいです。
脱毛症(30歳代の女性)
09th 3月 2007
数年前にも脱毛症で苦しんでおられたのことでしたが、病院で治療して大分改善したとのことでした。しかし、今回は病院での治療の甲斐なく変化が現れず、思い切って鍼治療をしてみようと来院されました。
診察しますと、頭皮の約4分の1ほどに髪の毛が無くかなりの状態でした。本人は日ごろウイック(かつら)を使用しています。問診しながら手足を触ってみますと冷えてかなり湿っています。肩は硬く盛り上がった状態です。
「時間はかかりますが、少しずつ戻ってきます。しばらく辛抱してください。他の症状もあわせてよくなってきます身体が元気であることが大切ですから、食べ過ぎず少しずつ動きましょう」
仕事の都合上1週間に1度のペースでの治療となりました。来院のたびに、肩こりや胃腸の具合の悪さを訴えられていましたが、次第に胃腸の状態も改善され元気になっていかれました。このようにその都度訴えられる症状をとりながら、全身調整を行い続けていきました。3ヶ月目に入った頃から少しずつ変化が現れ、本人もその変化がわかってきたようです。この頃から少し明るくなられたようでした。
このように治療を継続していき(仕事の忙しい時期には少し間隔が空くことはありましたが)次第に髪の毛の量は多くなっていき、頭皮の空間がかなり狭くなっていきました。この頃から、もっと早く改善したいとの本人の気持ちもあり、病院との併用となり、薬の服用をするようになりました。半年ほどたって、見た目にはわからないほどになり、体調も合わせて、大分改善されたようです。
よく100円玉くらいの神経性の脱毛は治療する機会はありますが、今回のように広範囲の脱毛はなかなかお目にかかる機会はありませんでした。でも、治療を辛抱強く継続していくことで、体質の改善とその結果として回復していくことを実証できました。人間の回復力の強さにあらためて驚かされています。
私の治療室から(その5)「続鍼はなぜ効くの?」
08th 3月 2007
『鍼はなぜ効くんでしょうか?』
このところ数回にわたってわかりやすく?書いてきました。が、実際はわかりにくいものだと思います。
そこで、今回は幼児・小児の治療からお話してみることにしましょう。
当院には、毎日のように幼児・小児が治療に来ています。アトピーだったり、喘息だったり、便秘だったり、風邪だったり、中耳炎だったり、副鼻腔炎だったり様々な症状の子供たちが来ています。このホームページの「治療法」の中で触れていますが、小児用に用いているテイシンの写真が載っていますね。絵でしか見ないとどういうものかさっぱりわからないでしょうが、辛抱強くお付き合いください。
まずは、このテイシンからお話していきましょう。
当院で使っているテイシンは、20金の金鍼で、皮膚に刺し入れない鍼なのです。実際には、刺さないどころか、幼児・小児に使う場合には特に、皮膚に接触すらしません。それで効果が現れるのです。この鍼を近ずけることによって、身体が良いほうに変化し、氣の過不足を調整し、症状を取り去るのです。先にあげた症状がありますが、これらの症状が改善され、完治へと導かれるのです。当然、大人と治療法は殆んど変わりません。そこには鍼数(ドーゼ)の差がありますが。
鍼治療のイメージといえば、鍼を刺す。刺すことで身体に刺激を与える。その結果、痛み等が治るという感じです世ね。
ところが、私が実際に幼少児に使っている鍼(テイシン)は、この観念を覆すものです。刺さないのに治っていく。そこにあるものといえば、刺激ではなく、氣の調整による治療というしか考えられないでしょう。
この氣の調整こそが古来からおこなわれてきている治療法(氣を調整する治療法=経絡治療)なのです。
「鍼は痛いもの。お灸は熱いもの」
もうこういう考え方ををやめましょう。このために、せっかくある治す機会が、失われては大変残念です。
幼少児が笑いながら、ニコニコしながら、お話しながら受けられる治療なのです。
氣の調整をおこなう経絡治療に、少し期待してみませんか。
『百聞は一見にしかずです』 一度経絡治療鍼専門の治療院へ行ってみてください。そこにはあなたの求めているものがありますよ。
不妊症・不育症から妊娠へ
09th 2月 2007
黄体化未破裂症候群から妊娠へ(30歳代前半の女性)
『黄体化未破裂症候群とは?』
詳しい説明をここでおこなうことは出来ませんが、わかりやすく書いてみましょう(詳しいことが知りたい方は個別に「黄体化未破裂症候群」で検索してください)
黄体とは、排卵した後の卵子を覆っていた袋が黄体化し、黄体ホルモンを産出して高温期を作り出しための大切なものです。この黄体が卵子を排卵できずに、卵子を含んだまま黄体化していくことを「黄体化未破裂症候群」と呼びます。そのため基礎体温上は高温期を作り出すのですが、実際の黄体ホルモン量は少ない状態になっています。まして、排卵できていませんので妊娠できないことになります。
結婚してからなかなか妊娠できず、産婦人科で検査したところ『黄体化未破裂症候群』と診断され、初めて妊娠できない事情を知りました。産婦人科では妊娠できるようにするため通院を勧められましたが、友人の紹介で当院に来られました。
私にとってもはじめての病名との出会いです。でも、体の冷え等バランスの変動が大きく、経絡調整をやることでからだは必ず変わりますので、そのことを念頭に置きながら治療を開始しました。
手足は冷えて氷にでも触るような感じです。しかも、冷たく湿っています。このからだを変え、患者さん御自身の体が正常な排卵を導き出せるように治療をしていきました。湿って冷たかった手足は次第に変わっていきました手は治療が終わる頃には暖かく変わるようになります。足はなかなか暖まりませんでしたが、はじめに感じた氷のような感じは全く無くなっています。また、硬かったお腹も次第にふっくらと柔らかくなっていきました。
このように治療を始めてからからだは確かに変わっていきました。そんな中、治療を始めてから4ヶ月程たった頃、いつもと全く違う脉の状態を呈し、「ひょっとしたら妊娠かも知れない」と思うような印象を受けました。本人にそのことを告げ、治療を終えました。1週間後の予約をして治療院を後にしましたが、予約日に電話連絡があり、「つわりがひどくとても治療院まで車で行くことが出来ません」とのキャンセルの連絡でした。
つわりはとても辛いですが、非常にめでたく、うれしい連絡となりました。
このようなケースでもからだは自然な方向へと変わろうとしています。経絡治療をすることによって、その力を助長し、自然な状態へと導いていくことが出来るのです。自然な状態へとは、人間として誰もが持っているもの、生理的な機能のことです。そして自然な形での妊娠が導かれました。
不育症(3回の流産)から妊娠へ(30歳代前半の女性)
『不育症』
過去いずれも妊娠8週目で流産となりました。特に3回目の流産後、極端に生理時の出血量が減り、生理の期間も三日程度で終わってしまうようになってしまいました(初日は少し多めですが二日目三日目は殆んど無い状態)ひどいときには1日で生理が終わるときもあったそうです。
当院へは紹介されて来院されました。手足は冷えていて、共に冷たく湿っています。腹部も硬くやや冷えています。診察しながら食事についての注意をし、初回の治療に入りました。
治療後、冷えて湿っていた手は、暖かく変わりましたが、足は暖まりませんでした。それでも湿り気は取れていました。治療間隔は、仕事の都合もあり週1回の治療を継続していきました。
生理時の出血量は一進一退を繰り返していましたが、次第に増えていくようになっていきました。生理の期間も3~5日間をいったりきたりでしたが、少しずつ伸びていくようになりました。もともと消化器系統に弱みを持っておられ、以前ダイエットで体調を崩されたことがあるといっておられました。そんなこともあって冷えが強かったのかもしれませんね。
治療を継続していくと、氷にでも触ったように冷たかった手足は、少しずつ温まり、足部も暖かいと言うほどにはいかなくとも冷えきっている状態ではなくなっています。また、全体の皮膚(特に下肢)も艶と張りが出てきました
このように、手で触れ目で見えるところはずいぶんと変化が出ています。この変化はからだの内部に於いても良い方向に変化をもたらしています。そのことは生理の状態に、子宮内部の環境にも大きな変化をもたらしています。その結果、無事妊娠することが出来ました。そして関門の8週をクリアーして元気で胎児は育っています。つわりは少しきついですが、胎児の元気な様子を確認でき、辛さの中にも安心感も同居する日々を送っておられます。
不妊治療で来られる患者さんから良く聞きますが、不妊関係の雑誌に「鍼灸治療が効果的」と書いてあるそうです。そのような記事を見て、当院へ来られる方も多いです。記事にあるように実際に鍼灸治療、特に経絡治療は効果が高いです。記事を見て不安視される方も多いとは思いますが、一度行動をおこしてみませんか。
私の治療室から(その4)「続鍼はなぜ効くの?」
08th 2月 2007
「鍼はなぜ効くの?」とやさしくわかりやすくをモットーに書いてきましたが、一向にわかりやすくかけないようです。でも、基本的なことは少しは理解いただけたかと勝手に思うことにしました(自分のふがいなさに気落ちしていますが、どうにもなりませんので、お許しください)
今回は、少し違うお話をしてみたいと思います。
例えば、肩が痛む、肩がこる、腕が痛くて上がらないという症状の方がおられます。私は、経絡治療を行う鍼師ですので、一般的にイメージされる痛むところにハリネズミのようにいっぱい鍼をするわけではありません。その原因となっている氣・血の変動(経絡の変動)をとらえ、全身の調整をしていきながら、個の部を調整していく治療法をおこなっています。
つまり、痛む部位への刺鍼も大切ですが、その部を通る経絡の変動を整えることも大変大切なことなのです。ですから、よく肩が痛むのに下肢への刺鍼で痛みをとったり、背中への刺鍼によって取ったりします。「不思議ですね。足に鍼をしたのに肩や、頸が楽になってきました」と、よく患者さんが言われます。実に不思議なことのようですよね。でも、これは魔法でも、不思議なことでもないのです。
経絡と言われる氣の流れが、ある一定の幅と深さを持っているため、肩のどの部に痛みがあるかによって、その部を通る経絡を調整することによって、その部の痛みを和らげていくためです。ですから魔法でもなく、不思議なことでもないのです。当たり前のことなのです。
前にも書いていますが、内臓を中心に全体を考える東洋医学においては、からだそのものが各内臓の支配下にあり、その反応の表れとして痛み等が出ていると考えます(実際に臨床に携わっていますと、非科学的なことと笑ってしまう人もいますが、まさにそのとおりと驚きの連続なのです)
鍼は痛むところへの刺鍼刺激で治すというだけでは、解決できないことが多いのです。そこには古典で言われている氣・血、虚・実、陰・陽という概念を中心とした刺鍼技術が必要となるのです。その体系が『経絡治療』ということになるでしょう。
私自身、鍼の勉強をすることになる前に聞いた「鍼灸マッサージは慰安業だよ」という言葉にそうではないはずと思いつつ、勉強をしているときに経絡治療に出会いました。私にとってすばらしい出会いとなりました。2000年も3000年も続いてきている鍼灸は、決してそのようなものではないのです。
鍼灸は病人を診ながら病気を治していく、れっきとした医学(東洋医学)です。少しでも、皆さんの意識が変わり、具合の悪い方が鍼にいけば楽になれ、治してもらえると思ってもらえるよう、益々鍛錬を積んでいかねばと思わされています。
これからも、健康に関すること、私なりに考えていること等、書いて参りますのでよろしくお願いいたします。
アトピー性皮膚炎と喘息(20歳代後半の女性)
09th 1月 2007
子供の頃からアレルギーとしてアトピー性皮膚炎と小児喘息の両方を発症していました。症状が出てくるとその都度薬で症状を抑えてきたそうです。症状が強ければステロイド剤を使用していたそうです。
当院へは、紹介されて来院されました。皮膚は全体がやや黒ずんでいます。また痒みが強く、ストレスや疲労により更に悪化し首の周り、各関節等に発症してきます。
治療は本人の仕事の関係で週1回しか来院できず、「気長に治療していきましょう。次第に楽になってきますから」と説明し、定期的に来院していただけるようにお願いしました。当初は本人体質から(虚体)慎重に治療をしていましたが、それでも治療後少し疲労感を感じると言うことで、よりドーゼ(治療量)に気をつけながらの治療となりました。
このようなアトピーと喘息を併せ持ち患者さんの特徴として、喘息が優位に発症しているときは、アトピーによる痒みはあまり感じられなくなっています。ですからその都度その病体に従った治療となります(経絡治療に場合は、改めてこんなことを書く必要は無く、その都度病体に従った証に応じて治療することになりますが)
治療開始から半年ほどして、喘息発作は殆んど影を潜め気にならなくなってきました。アトピーに関しては、痒みが体調の変化により出たり出なかったりを繰り返していました。しかし、その後次第に痒みも出なくなってきました。ただ、疲れすぎや、食事面での不摂生が続くと少し痒みは出てきますが、以前のように強くなく皮膚の状態も安定しています。
現在も(治療開始から1年を過ぎていますが)定期的に体調管理に来院されています。
近年、この治療例のようにアトピー性皮膚炎と小児喘息と持っている幼・小児が増えています。このような症状を持っているお子さんのご両親は心配が絶えないことと思います。薬付けにはしたくない。さりとてなすすべが無い。そのような状態だと推察いたします。でも、この例のように改善していきます。お子さんの治癒力に期待してください。その治癒力を引き出すために、経絡治療による鍼治療も考えてみてください。
私の治療室から(その3)「続鍼はなぜ効くの?」
08th 1月 2007
「鍼はなぜ効くの?」と今回で3回目となりますが、書けば書くほどわかりやすくかけず、少し自己嫌悪に陥ってしまいました。わかりやすく書くことは難しいものだと改めて思い知らされています。しかし、このまま終わったのではさっぱりわからないままになってしまいますので、別の角度から再度チャレンジしてみることにしました。私が普段治療室で話していることなどをベースにしてみます。
まず、その1で書きましたように一般的な鍼のイメージは痛むところ・悪いところに鍼を刺して痛み等をとってくれると言うことのようです。これは大きな間違いではありません。実際にテレビや最近良く聞く健康番組等では、「この穴はどこそこに効く穴」「足のむくみにはこの穴を刺激してください」とかわかりやすく紹介しています。これは、東洋医学・鍼灸を普及すると言う観点ではいいのでしょうがこれだけでは東洋医学のすばらしさを伝えられません。
私たちは、生まれてこれまで西洋医学の中にどっぷりとつかり、西洋的な科学の中で生活しています。ですから鍼灸の世界においても病名・症状からこれに効く何々と考えてしまいます。鍼灸・東洋医学に携わっている私でさえ、ついつい西洋的なものの考え方をしてしまいます。ですから無理もないのです。でも東洋的な思想の中で生まれてきた鍼灸・東洋医学は、やはりその生まれてきた思想背景で考えていかなければ本来の意味を間違って解釈してしまいます。
またまた難しくわかりにくいことを書き連ねてしまいましたが、大切な部分ですので書いてみました。不十分な説明ですが、鍼灸の根底に流れる東洋的な思想・考え方と言うものがあることをご理解ください。
では、わかりやすく私が治療していることから書いてみましょう。
『頭痛のある患者さんの場合』
例えば偏頭痛の方で頭の脇が傷むという人がいます。一般的なイメージからすれば痛むところに鍼をすれば良い訳ですから、その部に何回も鍼をすることですむでしょう。でも、東洋的な古典鍼灸ではそうは考えません。「どうしてこの部に痛みが出るのか」これを東洋的に考察します。これを四診法(望・聞・問・切)を駆使し、原因(経絡の変動)を探ります。このときに切診のなかに含まれる脉診・腹診を十分に活用して経絡変動を見極めます。そして治療に入るのです。
その結果、この経絡変動を調整することによって、訴えのあった頭痛がなくなっていきます。このことは痛みをとるのみでなく、頭痛を発症しているからだの歪をも治しているのです。
次に、目の下にくまが出来ることがありますね。これは体が疲れきってぐったりしているようなときに見かけられます。それではこれを治すのにそこに鍼をするのでしょうか。そうされる方もいられるかもしれませんが。これは「胃・消化器系」の反応ですから体の示す変動経絡を理論によって調整することで次第に回復してくるのです。
このように、東洋医学のおける鍼灸は、東洋的な理論によってのみその力をフルに発揮できるといえるでしょう。
「鍼はなぜ効くの?と問われて答えるとすれば、東洋的な思考の内臓を中心とした経絡の変動が起こすからだの歪を鍼によって調整できるからです」と答えてしまいます。わかりにくいでしょうが。
ポイント
消化器の症状で次のようなことがあります。
- お腹がすいているのに食べるとすぐにお腹が一杯になる。
- お腹がすかないのに食べ始めると一杯食べれてしまう。
- お腹もすかないしあまり食べたいとも思わない。
これらはそれぞれに意味のある経絡変動を表しています。このような症状がある時には無理をして食べすぎず、からだを回復させることに心がけてください。
慢性副鼻腔炎(小学校4年生の男の子)
09th 12月 2006
小学校の低学年の頃から鼻炎気味で、耳鼻科に通っていたそうです。春には学校で検診がありますので、毎年のように鼻炎を指摘され、耳鼻科に行って診察を受け、治療をするよう指示書を受け取っていたそうです。ですから、毎年のように春先には治療を受けていました。しかし、なかなか良くならずそのうちに通院をすることが続けられなくなっていきました。次第に、鼻炎から1年中鼻が詰まるようになり、鼻で呼吸が出来ないほどになって行きました。診断も鼻炎から副鼻腔炎に変わり、常に鼻の奥のほうに鼻水が溜まっているように感じられ、鼻が重く感じられるようになっていったそうです。
そんな中、紹介されて来院しました。ベッドに横になってもらい口を閉めて呼吸をしてもらったところ、鼻のみで呼吸することがかなりきつく、顔の近くに私の耳を近ずけても呼吸音が殆んど聞こえない状態でした。
「時々眉毛の上辺りが痛くなることがあります」「おそらく副鼻腔炎の関連でその部に重い感じの痛みが出てくるんでしょう。慢性的になっていますので時間がかかりますが、鼻が通るようになりますから辛抱強く通ってください。当初は週2回から始めて、様子を見ながら週1回の治療となります」
手足は冷えて少し湿っている感じです。また、皮膚全体も湿りがちのようです。この皮膚の状態が変わっていくことがひとつの目安にはなります。所定の治療を終え、少しからだのことについて説明を加え、初回の治療を終えました。その後、辛抱強く母子共に治療に通ってくださいました。そんな中で、少しずつ変化が現れてきました
少しずつ鼻での呼吸が出来るようになってきました。注意深く鼻での呼吸音を聞いていますと、詰まっている中で、鼻から空気が出入りしている音が聞こえ出しました。日によってこの音の大きさは違っていますが、確実に鼻で呼吸が出来つつあります。また、眉毛の上辺りの重い痛みも時折出てきますが、治療をしますと楽になり痛みを感じなくなってきました。
治療を始めてから半年以上たった頃から今度は鼻血が出るようになってきました。これは副鼻腔炎が治っていく上で大事な症状なのです。副鼻腔内の炎症が取れてくるためのしるしなのです。このことを説明しつつ、「もう少しの辛抱ですから通院頑張りましょう」
その後、眉毛の上の痛みは全く感じなくなり、口を閉めて鼻のみで呼吸が出来るようになりました。初めは全く鼻呼吸が出来ませんでしたが、鼻の奥の違和感・眉間の痛み等が消えて後、普通に呼吸が出来るようになりました。
ここまで、1年を超える期間がかかってしまいました。もっと短期間で結果を出さなくてはいけないのでしょうが、慢性的な副鼻腔炎はどうしても時間がかかってしまいます。もっと早く治癒させるためにも私自身の努力は当然のごとく必要ですね。ただ、この症例を通して辛抱強く治療を継続する必要性を少し感じていただければ幸いです。

