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黄体化未破裂症候群から妊娠へ(30歳代前半の女性)

『黄体化未破裂症候群とは?』

詳しい説明をここでおこなうことは出来ませんが、わかりやすく書いてみましょう(詳しいことが知りたい方は個別に「黄体化未破裂症候群」で検索してください)

黄体とは、排卵した後の卵子を覆っていた袋が黄体化し、黄体ホルモンを産出して高温期を作り出しための大切なものです。この黄体が卵子を排卵できずに、卵子を含んだまま黄体化していくことを「黄体化未破裂症候群」と呼びます。そのため基礎体温上は高温期を作り出すのですが、実際の黄体ホルモン量は少ない状態になっています。まして、排卵できていませんので妊娠できないことになります。

結婚してからなかなか妊娠できず、産婦人科で検査したところ『黄体化未破裂症候群』と診断され、初めて妊娠できない事情を知りました。産婦人科では妊娠できるようにするため通院を勧められましたが、友人の紹介で当院に来られました。

私にとってもはじめての病名との出会いです。でも、体の冷え等バランスの変動が大きく、経絡調整をやることでからだは必ず変わりますので、そのことを念頭に置きながら治療を開始しました。

手足は冷えて氷にでも触るような感じです。しかも、冷たく湿っています。このからだを変え、患者さん御自身の体が正常な排卵を導き出せるように治療をしていきました。湿って冷たかった手足は次第に変わっていきました手は治療が終わる頃には暖かく変わるようになります。足はなかなか暖まりませんでしたが、はじめに感じた氷のような感じは全く無くなっています。また、硬かったお腹も次第にふっくらと柔らかくなっていきました。

このように治療を始めてからからだは確かに変わっていきました。そんな中、治療を始めてから4ヶ月程たった頃、いつもと全く違う脉の状態を呈し、「ひょっとしたら妊娠かも知れない」と思うような印象を受けました。本人にそのことを告げ、治療を終えました。1週間後の予約をして治療院を後にしましたが、予約日に電話連絡があり、「つわりがひどくとても治療院まで車で行くことが出来ません」とのキャンセルの連絡でした。

つわりはとても辛いですが、非常にめでたく、うれしい連絡となりました。

このようなケースでもからだは自然な方向へと変わろうとしています。経絡治療をすることによって、その力を助長し、自然な状態へと導いていくことが出来るのです。自然な状態へとは、人間として誰もが持っているもの、生理的な機能のことです。そして自然な形での妊娠が導かれました。

不育症(3回の流産)から妊娠へ(30歳代前半の女性)

『不育症』

過去いずれも妊娠8週目で流産となりました。特に3回目の流産後、極端に生理時の出血量が減り、生理の期間も三日程度で終わってしまうようになってしまいました(初日は少し多めですが二日目三日目は殆んど無い状態)ひどいときには1日で生理が終わるときもあったそうです。

当院へは紹介されて来院されました。手足は冷えていて、共に冷たく湿っています。腹部も硬くやや冷えています。診察しながら食事についての注意をし、初回の治療に入りました。

治療後、冷えて湿っていた手は、暖かく変わりましたが、足は暖まりませんでした。それでも湿り気は取れていました。治療間隔は、仕事の都合もあり週1回の治療を継続していきました。

生理時の出血量は一進一退を繰り返していましたが、次第に増えていくようになっていきました。生理の期間も3~5日間をいったりきたりでしたが、少しずつ伸びていくようになりました。もともと消化器系統に弱みを持っておられ、以前ダイエットで体調を崩されたことがあるといっておられました。そんなこともあって冷えが強かったのかもしれませんね。

治療を継続していくと、氷にでも触ったように冷たかった手足は、少しずつ温まり、足部も暖かいと言うほどにはいかなくとも冷えきっている状態ではなくなっています。また、全体の皮膚(特に下肢)も艶と張りが出てきました

このように、手で触れ目で見えるところはずいぶんと変化が出ています。この変化はからだの内部に於いても良い方向に変化をもたらしています。そのことは生理の状態に、子宮内部の環境にも大きな変化をもたらしています。その結果、無事妊娠することが出来ました。そして関門の8週をクリアーして元気で胎児は育っています。つわりは少しきついですが、胎児の元気な様子を確認でき、辛さの中にも安心感も同居する日々を送っておられます。

不妊治療で来られる患者さんから良く聞きますが、不妊関係の雑誌に「鍼灸治療が効果的」と書いてあるそうです。そのような記事を見て、当院へ来られる方も多いです。記事にあるように実際に鍼灸治療、特に経絡治療は効果が高いです。記事を見て不安視される方も多いとは思いますが、一度行動をおこしてみませんか。

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「鍼はなぜ効くの?」とやさしくわかりやすくをモットーに書いてきましたが、一向にわかりやすくかけないようです。でも、基本的なことは少しは理解いただけたかと勝手に思うことにしました(自分のふがいなさに気落ちしていますが、どうにもなりませんので、お許しください)

今回は、少し違うお話をしてみたいと思います。

例えば、肩が痛む、肩がこる、腕が痛くて上がらないという症状の方がおられます。私は、経絡治療を行う鍼師ですので、一般的にイメージされる痛むところにハリネズミのようにいっぱい鍼をするわけではありません。その原因となっている氣・血の変動(経絡の変動)をとらえ、全身の調整をしていきながら、個の部を調整していく治療法をおこなっています。

つまり、痛む部位への刺鍼も大切ですが、その部を通る経絡の変動を整えることも大変大切なことなのです。ですから、よく肩が痛むのに下肢への刺鍼で痛みをとったり、背中への刺鍼によって取ったりします。「不思議ですね。足に鍼をしたのに肩や、頸が楽になってきました」と、よく患者さんが言われます。実に不思議なことのようですよね。でも、これは魔法でも、不思議なことでもないのです。

経絡と言われる氣の流れが、ある一定の幅と深さを持っているため、肩のどの部に痛みがあるかによって、その部を通る経絡を調整することによって、その部の痛みを和らげていくためです。ですから魔法でもなく、不思議なことでもないのです。当たり前のことなのです。

前にも書いていますが、内臓を中心に全体を考える東洋医学においては、からだそのものが各内臓の支配下にあり、その反応の表れとして痛み等が出ていると考えます(実際に臨床に携わっていますと、非科学的なことと笑ってしまう人もいますが、まさにそのとおりと驚きの連続なのです)

鍼は痛むところへの刺鍼刺激で治すというだけでは、解決できないことが多いのです。そこには古典で言われている氣・血、虚・実、陰・陽という概念を中心とした刺鍼技術が必要となるのです。その体系が『経絡治療』ということになるでしょう。

私自身、鍼の勉強をすることになる前に聞いた「鍼灸マッサージは慰安業だよ」という言葉にそうではないはずと思いつつ、勉強をしているときに経絡治療に出会いました。私にとってすばらしい出会いとなりました。2000年も3000年も続いてきている鍼灸は、決してそのようなものではないのです。

鍼灸は病人を診ながら病気を治していく、れっきとした医学(東洋医学)です。少しでも、皆さんの意識が変わり、具合の悪い方が鍼にいけば楽になれ、治してもらえると思ってもらえるよう、益々鍛錬を積んでいかねばと思わされています。

これからも、健康に関すること、私なりに考えていること等、書いて参りますのでよろしくお願いいたします。

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