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貝原益軒「養生訓」から学ぶ(その4)
08th 8月 2006
引き続き貝原益軒の「養生訓」から学びつつ、皆さん健康のお役に立てればと思います。
来月は、私なりの総括をしてひとまず閉じたいと思っております。苦労せず、薬等で体調を整えようと安易に考えがちな現代人に注意を喚起していきたいものです。
「中公クラシックス・貝原益軒 養生訓より抜粋」
気血のとどこおらぬよう
陰陽の気というものが天にあって、流動して滞らないから春夏秋冬がうまくいき、万物の生成がうまくいくのだ。陰陽の気がかたよってとどこおると、流動の道がふさがって冬が暖かで夏が寒くなったり、大雨・大風などの異変があったりして、凶作や災害を起こす。人のからだでもまたそうだ。気血がよく流動してとどこおりがないと、気が強くなり病気にならない。気血が流動しないと病気になる。その気が上のほうにとどこおると頭痛やめまいになり、中ほどにとどこおると心臓や腹の痛みとなり腹がはり、下のほうにとどこおると、腰痛・脚気となり、淋せん(排尿病)・痔漏となる。このためよく養生しようとする人は、できるだけ元気のとどこおらぬようにすることである。
心のなかの主人
養生を志す人は、いつも心の中に主人がなくてはならぬ。主人があると、思慮をして是非をみわけ、怒りを抑え、欲を防いで間違いが少ない。心に主人がないと、思慮がなく、怒りと欲とをこらえないで好き勝手なことをして間違いが多い。
我慢が肝心
何事でも、一時的に気持ちのいいことは、必ずあとで禍になる。酒食を好きなだけ取れば気持ちがいいが、やがて病気になるようなものだ。はじめに我慢すれば、必ずあとの喜びになる。
病気のもと
気は一人のからだの中の全体にいきわたるようにしなければならぬ。胸中の一箇所に集めてはいけない。怒り・悲しみ・憂い・思いがあると胸中の一箇所に気がとどこおって集まる。七情が過度になって、気がとどこおるのは病気のおこるもとである。
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