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生理不順についての症例
09th 5月 2005
1. 初潮以来出血の止まらない20歳代前半の女性
この女性は、10歳代前半に月経が始まって以来、現在までずっと少しずつ出血していて、常に生理用品をはずせない状態が続いていました。
当院へは交通事故の後遺症で腰・肩等が痛むことが多く、その治療のため来院されていました。
治療を継続する間に、時々心臓が痛くなり少し胸が苦し状態で来院されたことがありました。
問診の中で「子供の頃から時々心臓が痛くなることがあります。それから、生理が始まってから出血が止まらずいつもナプキンをつけたままです。赤ちゃんは、諦めています」とのことでした。
「諦めたら終わりですよ。それらも一緒に治療していきましょう。治りますよ」と励ましつつ治療を続けました。
苦しかった心臓の痛みが、治療によって楽になったことも、少し信用された一因かも知れませんが。
当初、週2回の治療からはじめました。
継続していくうちに、時折出血が止まる日が出てきました。
その後、治療を週1回に変え継続治療しました。
今では、無事赤ちゃんを授かり、1児の母親となっておられます。
2. 1年に1回程度しか月経のなかった30歳代前半の女性
この女性は、高校生の頃から生理不順になり、20歳代になってから、更に生理になる回数が減り、1年に1回程度になってしまったそうです。
婦人科にしばらく通い、投薬を受けましたが、期待するほどの効果が得られず、通院をやめられたそうです。
当院へは首から肩・上肢にかけての痛みで来院されました。
治療を継続していると、肩・上肢の痛みが和らぐと共に、月経が始まったのです。
「今までは、婦人科での薬を使ったときのみ出血があったのに、もうしばらく服用していないのにどうしてだろう。鍼をしているからですか」と尋ねられました。
「鍼をしていると、体が変わり、自分自身で悪いところを治していくんですよ。だから生理が始まったんです。
それじゃ、定期的に生理がくるように治療を続けていきましょう」と答え、今では定期的に生理がくるようになっています。
この方も、かなり強い冷え性で、来院当初は、氷にでも触るような非常に冷たい手・足でした。
現在では、その頃の面影は全くなくなっています。
当院へは、今でも月1回程度の割合で来院されています。
この症例は、両極端な事例でしたが、治療を継続していくことの大切さを教えてくれます。
長年患ったものを治していくためには、あせらず、患者さんと共に良い状態を継続させて行くこと。
その結果として、患者さん自身が治す力を高めていくことなのです。
結果を早く求めがちですが、時間をかける必要のあるときもあるようですね。
私自身の反省点として、問診の大切さを再度教えられました。
今後の臨床に役立てて行きたいです。
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