不妊症についての症例 (その2)
09th 7月 2005
30歳代前半の女性
当院へは、当初臀部痛で来院されました。
問診しますと、「数ヶ月前に始めての妊娠で、8週目で流れてしまいました。腰から臀部にかけての痛みは、以前から頻繁にあります。鍼が怖くて今までは、マッサージを受けていましたが、こちらを紹介され思い切って来ました」「子供の頃からどちらかと言えば、体の弱い子供でした」とのことでした。
手・足は冷えていて少し湿っています。腹部も少し皮膚がざらつきが目立ち、湿り加減です。
「これだけ体が冷えて湿っていると、妊娠してもなかなか育ちにくいですよ。腰の痛みもそのためです。鍼で体質を変えますから、怖がらずに治療を受けてください」と話しつつ治療を始めました。
数箇所鍼をしましたら、「まだ鍼はしていないのですか」と尋ねられました。
「もう何箇所か鍼をしてますよ。大丈夫でしょう」
初回の治療を終え、痛かった臀部の痛みが取れ、冷えて湿っていた手に温かみが出、乾いた感じに変わり、びっくりされた様子です。
「こんな風に体は変わります。妊娠して元気に育つことが出来るように、治療を続けて行きましょう」
その後、継続して治療を行い、約半年ほどで妊娠することが出来ました。
安産灸を施しつつ、8ヶ月くらいまで当院で治療を継続し、実家に戻られてからも、紹介した治療院で治療を受けられ、無事元気な男の子を出産されました。
当初は、鍼を非常に怖がっておられましたが、今では、全く微塵も感じられません。
人との出会いの不思議を、特に感じられた症例です。
「鍼は痛いから行かない」という人も多いと聞きますが、この女性も以前はそうだったそうです。
ひとつの出会いを大切にしてみませんか。