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足関節捻挫の症例
09th 12月 2005
高校2 年生の男子
高校のサッカー部の男子生徒で「明日大事な試合があるので何とか試合に出て走れるようにしてください」と紹介されて来院されました。
診ますと右足関節から指にかけて捻挫のため倍くらいに腫れ、しかも熱を持った状態です。
普通ならとても明日の試合には出られない状態です。
「今までに似たような状態で翌日に痛みが引き試合に出れたケースもあるけれど、必ずそうなるとは限ら
ないよ。でも精一杯治療しますから回復力に期待しましょう。その代わり、次のことは必ず守ってください。そうしないと絶対に間に合わなくなってしまいますから。まず第一に、腫れている足を絶対に冷湿布等で冷やさないこと。次に腫れている足に包帯等で締め付けないこと。そうすることによって、患部が早く治るようになるから」と言って治療を開始しました。
所定の本治法・標治法を終え、足関節周囲の患部と健康部との間に施灸して初回に治療を終えました。
まだ足関節は腫れている状態ですが、痛みが大分引いた感じで歩くのに少し楽になっている様子です。
「先ほど言ったことを守ってください。試合が終わってからまた来て下さい」と言って治療を終えました。
三日後に来院。
「無事試合に出れて思いっきり走れました。ありがとうございました」とお礼を言われました。
足を診ますと、また少し腫れていて痛みが出ています。
初回同様の治療をし、その後二回の治療をして治療を完了しました。
一般的には、捻挫と言うと患部を冷やすために冷湿布をし、包帯等で固定するのが常識ですね。
それからすると、今回の治療は非常識と言えるかも知れませんね。
でも、見る方向を変えるとそうでもないのです。なぜでしょうか。
湿布をし、固定するのは、患部の炎症を抑えその分を保護するという意味では大切です。
しかし、早く患部を治癒させるという観点からはどうでしょうか。
つまり、体は患部を治すべく働き、その結果患部に熱が発生します。
この患部の熱は体の補修にとって大切なものです。
さらに、包帯等で患部を圧迫することでリンパ・血液の流れを阻害し、回復を遅らせてしまいます。
このような観点から、当院では治療させていただいております。
捻挫で鍼・灸はピンとこないかも知れませんが効果はありますので、ご検討くだされば幸いです。
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