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切迫流産の治療における体験記
09th 4月 2008
補瀉手技による陰陽の調和
「不妊でお悩みの方」のページに臨床例として載せていますが、この体験を通して補瀉手技の大切さを再認識させられました。 この体験から少しお話します。
「主訴」妊娠6ヶ月で子宮腔が開いて切迫流産と診断される。
「問診」妊娠初期から少し長く立っていると腰が痛くなり、横になっていることが多かった。
妊娠5ヶ月に入った頃から更に腰が痛くなり、体調も悪くあまり動けなくなってしまう。
産婦人科で子宮腔が開き始めていることを告げられ、投薬を受けるが止めることが出来ず、 更に体調が悪化し一日寝たきりの状態となっていた。
「切診」 手足共に冷え、腹部は硬い状態。 「脉状」 浮 数 実(陽の脉は弦を帯びている)
「比較脉診・証決定」 腎虚脾虚の相克調整
「本治法」 右適応側 右復溜・尺沢 左陰陵泉に補法
陽経の処理 すべて弦実に応ずる瀉法 右偏歴 豊隆 左光明 飛陽 最後に右外関
「標治法」 天柱 脊際(身中 至陽 命門)
太谿に施灸
「使用鍼」 補法 銀1寸2番 瀉法 ステンレス1寸2番 標治法 銀1寸3番
「臨床のポイント」
1.左手尺中の脉のみが硬く沈みこんでいるため、この脉を浮かすことが大切です。そのため刺鍼に一工夫必要となります。
2.陽経に浮いている実邪(弦実)を強い目的意識を持って瀉法をすることが大切です。 この邪実をうまく瀉すことで和かんを得た良い脉状になります。 その結果、体に温かみが出、唇に赤みが出、言葉に力が出てきました。治療前とは大きな違いとなりました。
3.症状から怖がることなく、刺鍼時にそれぞれの目的をしっかり持つことが大切です。
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